第二章 リーダーに必要な心がけとは
9. 謙虚であり続ける

職位が上がるにつれて、態度が大きくなっていく人がいます。人間的に大きくなることは必要ですが、態度が大きい、横柄だなどというのは歓迎できません。
本当に深く人間的な魅力がある人、知識がある人ほど謙虚であるものです。多くの人から尊敬され名を残した経営者の姿は、こうした人間的な魅力にあふれた人ばかりです。逆に、底の浅い人ほど、おごった態度になりがちです。リーダーなら、率先垂範して、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」の言葉を実践してほしいものです。
一般にリーダーが陥りやすい「心の病い」があります。戒めの気持ちを持たなければなりません。
(1)自己满足
ある程度の目標を達成すると、どうしても安心したり満足したりしがちです。「これでいい」、そう満足してしまったら、もう進歩はありません。つねに前進を心がけることです。
(2)妥協
経営学者の権威ハーバート・サイモンは「最良の敵は良である」と言っています。「理想はこうだ」と考えていても、ある程度のところまで伸びていくと、つい油断と妥協をしがちです。理想はもっと高く掲げていたのに、世間と比較して「まあ、こんなものだろう」と妥協してしまうのです。妥協は敵だということを心しておくことです。
(3)自惚れ・おごり
とくに若くして高い地位や高給を得ると、天狗になってしまう人がいます。地位はその人自身の人徳の高さではなく、役割分担と心得て、謙虚な姿勢で学び続け、前進し続けることです。
(4)甘え
「オレはこんなに会社に貢献してきたんだ、少しぐらいは許されるだろう」「自分は部下とは違う特権がある」などと甘えた意識があると、組織全体に緩みが蔓延していきます。甘えの意識は会社全体の公私混同のけじめを退化させ、企業危機へと傾いてしまいます。
(5)マンネリ
事業に停滞は許されません。時代や状況に応じて変化し続けなければ、競争社会で生き残ってはいけません。マンネリは後退を意味します。いかに自信を持って世に送り出した商品でも、そこに安住せず、お客様に飽きられないよう、売り方に変化をつけるなどの工夫と努力を怠らないことです。
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