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世界トップクラスの2社。わずか12年で天と地の差がついたワケとは

デジタルカメラ登場前。

人々が日常を記録する手段は、

写真フィルムでした。

 

その当時、写真フィルム業界で、

世界のトップに君臨していたのは、

米国の「コダック」。

そして、その後を追っていたのが、

日本の「富士フイルム」です。

 

両社は互いに

凌ぎを削りあうライバルでした。

長年、コダックが1位、富士フイルムが2位

という状態が続いていましたが、

2000年頃ついに写真フィルム市場で

富士フイルムが、世界の頂点に立ちました。

 

それから、12年。

富士フイルムは、

フィルム事業だけでなく、次々と新規事業を成功させ、

売上高2兆1953億円と順調に成長していました。

 

一方、コダックはというと、

なんとその年の1月に経営破綻してしまったのです。

 

まぎれもなく、

世界のトップクラスに君臨していた2社。

しかし、わずか12年で

天と地の差がついたのです。

 

 

12年前の2社は、

とてもよく似ていました。

ともに、写真フィルム技術に強みを持ち、

有名な大手企業で、世界のトップシェアを誇っていました。

 

 しかし、たった1つだけ

違っている点がありました。

 

それは、

時代変化への対応の違いでした。

このたった1つの違いが両社の明暗を分けたのです。

 

 

時は戻って、2000年。

コダックを抜いて、

世界のトップに立った

富士フイルムでしたが、

皮肉にもこのタイミングで、

デジタル写真が急速に普及し始めました。

また、近い将来、写真フィルム市場の90%以上が

消滅するとも言われていました。

 

当時、写真フィルムで

売上の60%、利益の70%近くを稼いでいた

富士フイルムにとって、これは危機的な状況でした。

 

この危機を脱するため、富士フイルムは

写真フィルム事業を縮小する決断をし、

新たな事業づくりに取り組むことになったのです。

そこで目をつけたのが

フィルムの研究開発などで培った技術です。

この技術を使って、

事業の多角化に乗り出しました。

 

例を挙げると、

・デジタルカメラなどの「デジタルイメージング」

・医療診断機器や医薬品などの「ヘルスケア」

・液晶フィルムなどの「高機能材料」

・携帯電話のカメラモジュールなどの「光学デバイス」

など、今後の成長が見込まれる

様々な市場へ大胆な多角化を図りました。

その転換が功を奏し、

富士フイルムはこの危機を乗り切りました。

 

 

一方、コダックは、

市場が縮小していくにも関わらず、

自社の強みである写真フィルム市場に

経営資源を集中し続けました。

その結果・・・

写真フィルム市場の縮小に伴って、

徐々に経営が悪化し、ついには経営破綻しました。

 

 

この例からも分かるように、

いつの時代も安泰な市場などありません。

特に今は、

あらゆるテクノロジーが発達し、

非常に不安定、不確定、複雑、不明確な時代と言えます。

一説によると、あと15年以内に、

人工知能による大失業時代がやってくる

とも言われています。

 

経営において、

時代の変化を見通すことが出来れば、

それに越したことはありません。

 

しかし・・・

これだけ変化の激しい時代においては、

中長期の予測を当てることは困難です。

それよりも、大切なことは、

富士フイルムのように、時代がどう動いても

柔軟に対応できる“身軽さ”を持っていることなのです。

 

帝国データバンク資料館が、

1912年までに創業、設立した814社を

対象に行ったアンケートを見ても、

・創業時から販売方法を変えた企業→ 78.7%

・創業時から商品・サービスを変えた企業→ 72.4%

・創業時から主力事業を変えた企業→ 56.3%

・創業時から製造方法を変えた企業→ 55.3%

というデータが出ています。

信頼の厚い老舗企業も、

このように変化に対応しながら、

長期的な成長を続けているのです。

 

特にこれからの時代は、

過去の栄光にとらわれず、

変化に合わせて、柔軟に、

「捨てる」「変える」「辞める」勇気を

持っている企業だけが生き残っていくことでしょう。

 

あなたの会社は、

今どのような状態でしょうか。

成長の見込めない既存事業を、

ダラダラと続けていませんでしょうか。

事業継続が困難になる前に

このタイミングで事業を見直してみましょう。