何のために信頼を築く必要があるのか?:周囲を巻き込むマネジメント(3回目)

あなたは、

何のために周囲の人たち(特に部下)と

「信頼」を築く必要があると考えていますか?

 

それは、労働生産性を上げるため、

つまり、

「成果の上がる組織」

を作るために必要なのです。

 

このあまりにも当たり前のことが分かっていないのか、

「信頼関係」を軽視しているリーダーが多いのには驚かされます。

 

軽視はしていないものの、

信頼関係構築のための行動を意識していないことは確かです。

 

ある調査によると、

上下関係が「うまくいっている部署」と「うまくいっていない部署」では

労働生産性に最大約3倍の差があることが分かったそうです。

 

なぜ、そんなにも生産性に差が出るのか?

それは、上下関係がうまくいっていない部署は、

部下の約3割が反逆行動を取ることがわかったそうです。

 

反逆行動とは、

意図的にミスをしたり、

意図的に休んだり、

あるいは、意図的に最高のパフォーマンスを出さなかったりするなど。

 

ダニエル・キム(MIT教授)氏によると

組織の成功循環モデルには2つのサイクルがあります。

 

▼バッドサイクル

結果の質→関係の質→思考の質→行動の質→結果の質→・・・というサイクル。

例えば、

・成果・業績が上がらない(結果の質)

・対立が生じ、押し付け、命令・指示が増える(関係の質)

・創造的思考がなくなる、受け身で聞くだけ(思考の質)

・自発的・積極的に行動しない(行動の質)

・さらに成果が上がらない(結果の質)

・関係がより悪化する、なすり合い、自己防衛(関係の質)

となり、バッドサイクルがくるくる回ってしまうわけです。

 

▼グッドサイクル

関係の質→思考の質→行動の質→結果の質→関係の質→・・・というサイクル。

「関係の質」を重視して組織をマネジメントしていくことにより、

・互いに尊重し、結果を認め、一緒に考える(関係の質)

・気づきがあり、共有され、当事者意識を持つ(思考の質)

・自発的・積極的にチャレンジ・行動する(行動の質)

・成果が出てくる(結果の質)

・信頼関係が高まる(関係の質)

・もっと良いアイデアが生まれる(思考の質)

といった、グッドサイクルがぐるんぐるんと回り続けていきます。

 

上司の成功または失敗は、

ほかの誰かと働くより上司である自分と働くことで

部下の生産性が上がるかどうかにかかっています。

そして、それをうまくやる唯一の方法は、

部下一人ひとりの成功こそが自分のいちばん大切な目標だと、

部下に心から信じてもらい、信頼関係を高める以外にありません。

 

ここであなたも、

これまでいちばんよかったと思う上司を思い出してみてください。

その上司はあなたに何を要求しましたか。

あなたのために何をしてくれましたか。

あなたと何についていちばん多く話し合いましたか。

 

その上司が、あなたとあなたの成功をどこに求めていたのかを考えてみてください。

その人物がほんとうにすぐれた上司だったら、

あなたは時がたつうちに、

この人は私をできるだけ成功させるために一生懸命になっていると

信じたのではないでしょうか。

 

もちろん、上司が企業の目的のために雇われていることは、

どこかであなたにもわかっています。

しかし、いつの間にか企業の目的はうしろにやられ、

あなたとあなたの成功が

この人のいちばんの関心事であるという感覚が

前面に出ていたのではないでしょうか。

 

考えてみてください。

なぜ、あなたはその上司に憧れたのでしょうか?

なぜ、あなたはその上司を尊敬したのでしょうか?

なぜ、あなたはその上司に惹かれたのでしょうか?

 

先週お伝えをしたように

成果の出る組織を作るためには、

コミュニケーションを通して周囲を巻き込み、

成果(目標達成)にレバレッジをかけていく必要があります。

そのために「信頼関係」が必要なのです。

 

ドラッカーも

「組織は生身の人間の限界を超える手段である」

と言っています。

 

自分一人では成しえない

大きな成果を出す究極のレバレッジは、

人をマネジメントすることです。

 

究極のタイムマネジメントは、

できる人の力を借りることです。

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