決断における5つのステップとは。決断の成功確率を上げるためにすべきこと

この記事でわかること
・決断に至るまでの5つのステップ
・決断するにあたって考えるべき「尺度」
・決断の成功確率を上げるためにすべきこと

この記事は、ネットで言われている「一般論」に対して、組織マネジメントの専門家はどう考えるのか?をインタビューし、私たちがより実践しやすい具体的なアクションを聞き出す企画…「決断力編」の第2回となっています(記事のアーカイブはこちら)。 

前回は、決断力に向き・不向きはあるのか、決断力を研ぎ澄ますためにやるべき情報収集の仕方などを伺いました。日々の情報収集や勉強を踏まえて、いざ決断へ。その時の具体的なステップについて、見ていきましょう。

登場人物プロフィール

【インタビュアー】MEGUMI

とある女性向けのサービスを行なっている経営者。それなりの社員を抱える規模でビジネスをしているが、組織の人間関係のトラブルや、離職率の上昇など、組織マネジメントにはまだまだ課題のある状況。

今まで感覚的に行なっていたけれど、改めて、しっかりと学んだ方がいいのかも…と考えていた矢先に、この記事の企画をいただき、インタビュアーとして参加させていただきながら、組織マネジメントを学ばせていただくことになりました。

【専門家】嶋津良智先生

日本唯一の『上司学』コンサルタント。「『あなたのもとで働けてよかった』をすべてのリーダーへ」を理念に、中小企業のための、人づくり、組織づくりに特化をした、スクール形式では日本一のビジネススクール『リーダーズアカデミー』を経営。

  • 一般社団法人日本リーダーズ学会 代表理事
  • リーダーズアカデミー 学長
  • 早稲田大学エクステンションセンター講師
  • 他、経歴・著書多数

<プロフィールはこちら>

本日もよろしくお願いします!

よろしくお願いいたします。

決断に至るまでの5つのステップ

前回は、決断をするためには日々の情報収集が必要だということを学びました。毎日の積み重ねが重要なことは分かりましたが、実際に決断をするフェーズになった時に、どんなステップを踏むのが良いのでしょうか?

決断には、5つのステップがあります。
①目的を明確にする
②有益な情報収集を行う
③決断によるメリットとデメリットを考える
④最も重視することは何か
⑤決断

やることのメリット・デメリットだけでなく、やらないことのメリット・デメリットも考える

なるほど。具体的に、1つ目から伺えますか?

まずは、1つ目のステップ、目的を明確にする。目的の整理ですね。何のための決断をするのかを、明確にします。

目的が明確化されると、その決断をするにあたっての有益な情報が何かが見えてきます。これが2つ目のステップ、有益な情報収集を行うということです。たくさんの情報をただ集めるのではなく、目的に必要な情報を集めることが重要です。

そして、3つ目、決断によるメリットとデメリットを考える。収集した情報を整理するため、決断をした時のメリット・デメリットを考えます。ここで重要なのは、自分は都合の良い見方をしてしまう、したい理由ばかり探してしまうということです。

これまでの経験則や社内での風向きなどに影響されて、自然と都合よく考えてしまうことは、あるあるですよね…。

その通りです。だから、ここで大切なことは、するにしても、しないにしても、した時のメリット・デメリット、しなかった時のメリット・デメリットをそれぞれ考える。する視点としない視点の双方に立つことが重要なんです。

例えば何かをやろうと考えた時、やることのメリット・デメリットは考えても、やらなかった場合のメリット・デメリットまでは考えきれていなかったと思います。この4点で考えると、網羅的に物事を見ることができ、決断がしやすくなりますね。

やるにあたっての喜び・痛み、やらないにあたっての喜び・痛みというキーワードで考えるのもおすすめです。

決断は、重視する「尺度」によって変わる

そして4つ目のステップは、「最も重視することは何か」を考えることです。

①の目的を明確にするとは異なるのでしょうか?

目的のための決断をするにあたって、最も重視する尺度が何か、ということです。
例えば、効果、取り組みやすさ、実現性、コスト面、新規性、リスク、最適化、理念など。決断における尺度は、プロジェクトや会社の成長時期、顧客の方針によっても異なると思います。これを明確にするには、マトリックスを書いてみるのがおすすめです。

自分にとっては新規性が重要だと感じても、会社の成長時期によっては効果を求めるべきこともありますもんね。

2つの案から決断し、成功確率を上げる

最後のステップが「決断」ですけれども。決断をする時にここも気をつけてほしいなと思うのが、1つの案に対してやるか・やらないかを考えるんじゃなくて、最低でも2つの案をやるか・やらないか考えてほしい、ということです。

2つの案?その分時間がかかるようにも思いますが、なぜでしょうか?

あくまで1つのデータなのですが、やる・やらないの意思決定の52%は、長期的に見て失敗しているなんていうデータがあったりするんですよ。それに対して、選択肢が2つ以上ある意思決定は、32%しか失敗していないらしいんです。

えっ?そんなに違うんですか??

要するに、やる・やらないの意思決定は、コインを投げて裏表で決めてもそんなに確率論としては変わらないということです。その確率を高めるには、2つ以上の選択肢から決めると良いというわけです。

いつも自分がいかに狭い視野で決断に悩んでいたかが分かりました。

この章のポイント
・決断には、①目的を明確にする、②有益な情報収集を行う、③決断によるメリットとデメリットを考える、④最も重視することは何か、⑤決断の5つのステップがある
・やることのメリット・デメリット、やらないことのメリット・デメリットを整理する
・効果や新規性、リスクなど、尺度によって決断は変わる
・決断をする際、2つ以上の選択肢を用意する

<この記事のシリーズをもっと見る>

嶋津式の組織マネジメントをもっと学びたい方へ

インタビューでは語りきれなかったより詳しい内容を網羅した、オンライン動画コンテンツを無料で提供しています。嶋津式の組織マネジメントをもっと学んでみたいという方は、ぜひ合わせてご覧ください。

<無料で視聴する>

TOP
無料オンライン講座はこちら