「やること」よりも、「やらないこと」を決断する

この記事でわかること
・良い決断と悪い決断の違い
・「やらないこと」を決めるべき理由
・「やること」は3つに絞る

この記事は、ネットで言われている「一般論」に対して、組織マネジメントの専門家はどう考えるのか?をインタビューし、私たちがより実践しやすい具体的なアクションを聞き出す企画…「決断力編」の第3回となっています(記事のアーカイブはこちら)。 

前回は、決断に至るまでの具体的な5つのステップを教えていただきました。今回は、良い決断と悪い決断、その差について伺っていきます。

登場人物プロフィール

【インタビュアー】MEGUMI

とある女性向けのサービスを行なっている経営者。それなりの社員を抱える規模でビジネスをしているが、組織の人間関係のトラブルや、離職率の上昇など、組織マネジメントにはまだまだ課題のある状況。

今まで感覚的に行なっていたけれど、改めて、しっかりと学んだ方がいいのかも…と考えていた矢先に、この記事の企画をいただき、インタビュアーとして参加させていただきながら、組織マネジメントを学ばせていただくことになりました。

【専門家】嶋津良智先生

日本唯一の『上司学』コンサルタント。「『あなたのもとで働けてよかった』をすべてのリーダーへ」を理念に、中小企業のための、人づくり、組織づくりに特化をした、スクール形式では日本一のビジネススクール『リーダーズアカデミー』を経営。

  • 一般社団法人日本リーダーズ学会 代表理事
  • リーダーズアカデミー 学長
  • 早稲田大学エクステンションセンター講師
  • 他、経歴・著書多数

<プロフィールはこちら>

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よろしくお願いいたします。

足すのではなく、引くことを意識する

日々、様々な決断をしていく中で、その時は正しいと思えていたのに、後から“あの決断は失敗だったなぁ”と反省することもあります。もちろん結果論であることは承知しているのですが…。

ネットでは、「間違いを受け入れることも重要」と書かれている記事もありますが、とは言え経営者としては、正しい・良い決断をしていきたいものです。失敗し続けていると、会社の存続に関わる事態にもなりかねません。

前回、2つの案から決断することで、成功確率を上げることができると伺いましたが、そもそも良い決断と悪い決断の差のようなものはあるのでしょうか?

目的によっても、良い決断か悪い決断かは異なるものではありますが、あくまでも傾向値ということで話をすると、良い決断に共通しているのは、引く決断ですね。やらないことを決める決断。反対に、悪い決断に共通しているのは、あれをやる、これをやる、と足していく決断です。

「やること」ばかりを決めていても、時間が足りなくなる

耳の痛いご指摘です。今日、色々と「やる」ことを決めてしまいました…。

人は、色々なことをやりたくなる生き物ですよね。特に経営者は、こういうことを言ったらお客さんが喜んでくれるんじゃないか、こうしたら売上伸びるんじゃないかと考える。色々な可能性を求めるし、色々なことをやりたくなってしまう。

おっしゃる通りです。様々な観点から検証したいし、それが経営者の仕事のようにも思えます。

でも結局、1日は24時間しかなく、時間は有限です。その人の能力も、ある程度限られている。その中で、何を選んで、何を選ばないかという選択と集中が大切だと思っています。

確かに、やることばかりを決断してしまうと、例え1つ1つが良いソリューションだったとしても、1つ1つに割く時間も人員も少なくなってしまいます。結果、失敗に繋がることも多いです。

選ぶことよりも、選ばないことの方が、実はすごく難しい。選ばないことを決めること、やらないことを決めることが、決断においてとても重要ではないでしょうか。

なるほど。決断と言うと、「やること」にばかり意識が行っていました。何を「やらない」かを決断する。そう考えると、物事の優先順位もより整理しやすそうです。早速今日から実践してみます。

「やること」は3つに絞ってみる

良い決断をするために、他にアドバイスがあったら伺いたいです。

僕は1つの基準として、もし困ったら3つに絞るように意識してみるようにお話ししています。

なぜ3つなのでしょうか?

例えば金銀銅とか、上中下とか松竹梅とか、信号の赤白黄色とか。マーケティング的に言うと、ザイオンス効果では、3回情報に触れると人は認知すると言われています。立体工学からすると、3つの支点で支えるのが、一番物が安定する。3という数字には、何か宇宙の法則みたいなものが存在している気がするんです。なんの根拠も無いんですけれど、迷ったら3つに絞ることを、僕はすごく意識しています。

たしかに。信号が5色あったら、決断に迷ってしまいそうです。3というのは、人が取り扱える一番ちょうど良い塩梅の数字なのかもしれないですね。

この章のポイント
・良い決断は、「やらないこと」を決断すること
・限りある時間とキャパシティの中で、やれることは限られている
・やることは3つに絞る

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