社会人・経営者が「自制心」を身につけるメリットとは?喜びの感情も自制すべき?

この記事でわかること
・自制心を身につけるメリット
・経営者が自制心を身につけるべき理由
・喜びの感情も自制するべきか?
・自制心の鍛えすぎに注意

この記事は、ネットで言われている「一般論」に対して、組織マネジメントの専門家はどう考えるのか?をインタビューし、私たちがより実践しやすい具体的なアクションを聞き出す企画です。今回は「自制心」の第2回目となります(記事のアーカイブはこちら)。 

前回は自制心とは自分のことを客観視する力であること、誰しもが誘惑に負けそうになるけれども、そこからどうコントロールするかが重要であることを伺っていきました。今回は、「自制心」を身につけることで社会人・経営者として得られるメリットをお伝えしていきます。

登場人物プロフィール

【インタビュアー】MEGUMI

とある女性向けのサービスを行なっている経営者。それなりの社員を抱える規模でビジネスをしているが、組織の人間関係のトラブルや、離職率の上昇など、組織マネジメントにはまだまだ課題のある状況。

今まで感覚的に行なっていたけれど、改めて、しっかりと学んだ方がいいのかも…と考えていた矢先に、この記事の企画をいただき、インタビュアーとして参加させていただきながら、組織マネジメントを学ばせていただくことになりました。

【専門家】嶋津良智先生

日本唯一の『上司学』コンサルタント。「『あなたのもとで働けてよかった』をすべてのリーダーへ」を理念に、中小企業のための、人づくり、組織づくりに特化をした、スクール形式では日本一のビジネススクール『リーダーズアカデミー』を経営。

  • 一般社団法人日本リーダーズ学会 代表理事
  • リーダーズアカデミー 学長
  • 早稲田大学エクステンションセンター講師
  • 他、経歴・著書多数

<プロフィールはこちら>

前回お話しいただいた「怒る」のではなく「叱る」ということからも、自制心の重要性は分かってきたのですが、改めて自制心を身につけることによるメリットを教えていただけますか?

わかりました!今回もよろしくお願いします。

自制心を身につけるメリットとは?

まず自制心を身につけるメリットとして大きいのは、人間としての豊かさが増し、人格形成ができるということ。感情の赴くままに泣いたり笑ったりする赤ちゃんや子供から、人は自制心を学ぶことで人格を形成していきます。それによって周りからも信頼されたり、応援をしてもらいやすくなったり、人を巻き込みやすくなるなど、様々なメリットに繋がっていきます。

私も2歳の姪っ子が急に泣き出したり怒り出したりすると、あたふたしてしまいますね。原因の言語化もまだ出来ないし、こちらも感情的になってしまったりします。自制心を持つことで人として成長できますし、周囲を巻き込みやすくなるというのは社会人としてとても必要なことだと感じます。

そうですよね。例えば、今お話ししているときに、MEGUMIさんに「今日俺、気分悪いからうまくやってね」と自分本位に感情丸出しで接した場合、僕の話を聞きたいと思うでしょうか。

聞きにくいから早めに話を終わらせよう、もう今後は聞かないようにしよう、と思っちゃいますね。正直言って、とてもやりにくいです。

ですよね。そんな態度で接し続けていたら、僕が何かMEGUMIさんに協力してもらいたいことがあった時にも、協力しようとは思えないですよね。感情を優先して、自制心のない言動を繰り返していくと、段々と周りの人間が離れていってしまいます。

その人の感情にいちいち振り回されるのは疲れますもんね。特に仕事で感情的になられると、「仕事なんだから感情は抑えようよ」と半ば呆れた気持ちにもなってしまいます。

経営者は特に自制心が重要

特に会社のトップである経営者が目先のことで感情的になっていたら、会社がぐらついてしまいそうです。社員としても不安になりそうですね。

怒ってばかり、サボってばかりの経営者には誰もついていきませんからね。また、経営者やリーダーの役職に就く人間は、マネジメントすることが多いですよね。

そうですね。チームリーダーだったら担当商品の売上と、チームメンバーのマネジメントだけだったのが、部長になれば部署全体のマネジメントが求められ、一気にマネジメントする範囲が広がりました。

さらにその上の経営者になれば、お金や情報、組織を動かしていかなければいけません。自制心のない人に対して、お金や情報を任せようとは思われません。こういったものは自制心のある人のところに集まってくるものですから、経営者は自制心がより重要だと思います。

怒りや悲しみ以外を自制する必要はある?

怒りや悲しみだったり、サボりたくなる感情だったりを自制する必要はあると思うのですが、喜びなどプラスの感情もコントロールできた方が良いのでしょうか?
か?

ある程度はできた方が良いでしょうね。一喜一憂しないという言葉があるように、いいことがある度に「やったー!」と単純に喜ぶことが本当に良いことかと言ったら、そうじゃない場合もあります。短期的には良いように見えても長期的には良くないことの場合もありますし、経営者としては客観的な視点を忘れてはなりません。

プロジェクトが成功した時に上司や社長が喜んでくれたら嬉しいですが、喜ばれすぎても「大丈夫かな?」と心配になりそうです(笑)。経営者が冷静でいると、どんと構えているようにも見えて、頼もしく感じられますね。ただ全く感情がない経営者というのも魅力がないように感じるのですが、いかがでしょうか?

自制心の鍛えすぎに注意!

自制心が強すぎるのは良くないですね。人としての魅力がなくなっちゃいますよ。喜怒哀楽って、人が生きていく上でものすごく大切な感情の1つじゃないですか。よくセミナーでもお伝えしているのですが、感情をなくす必要は全くないです。ただそれをコントロールしていく必要性があるというだけなので。

そうですよね。社会課題に対する悲しみや怒りが事業に繋がることもありますし。

良い視点ですね!その通りです。例えば同僚に対して「あいつには負けないぞ」というある種の怒りのような感情を持つことで、自分のスキルを磨き、成長できる社員もいます。感情を持つことが問題なのではなく、感情をどう使うかが重要なんです。上手く使うことができれば、自分にとって素晴らしい武器になりますよ。

自分の感情を否定せずに、どうコントロールするかを考えれば良いのですね!なんだか救われた気持ちです。

鍛えることが全てではない。何事も遊びが必要ですよ。

この章のポイント
・自制心を身につけると、周囲からの信頼を得やすくなり、人を巻き込みやすくなる
・マネジメントするものが多い経営者には特に自制心が必要
・喜びといったプラスの感情も、コントロールする必要がある
・怒りが自分の成長に繋がることも!感情を持つことを止めるのではなく、どう使うかが大切

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